第19回の計画書をベースに、第20回(受付11/5〜12/15)の準備を始めていませんか。
補助率2/3と補助上限50万円は変わりませんが、経費のルールは変わっています。

広報費とウェブサイト関連費の上限、ネット広告の計上先、相見積が必要になる金額が、第19回とは違います。
この記事では、第19回(第6版)と第20回(第8版)の公募要領を照合し、経費の変更点3つと、計画を組み直すときの考え方を整理します。

【この記事の要点】

  1. 広報費とウェブサイト関連費は、それぞれ上限30万円(税込)と定められ、ネット広告・SNS広告は広報費で計上します。
  2. 相見積が必要な金額は、1件あたり100万円(税込)超から50万円(税込)超に下がりました。
  3. 受付は11/5〜12/15 17:00です。事業支援計画書(様式4)の発行受付は12/4までで、その後は発行を受けられません。

第19回と第20回の経費ルールを一覧で比べる

経費のルールで変わったのは、広報費とウェブサイト関連費の上限と計上先、そして相見積の金額基準です。

項目第19回(第6版)第20回(第8版)
広報費に入るものチラシ・看板など。ウェブや動画に関する広報費用は、ウェブサイト関連費で計上インターネット広告、SNS広告・運用代行費、宣伝用の画像・動画作成などが広報費に加わった
広報費の上限規定なし30万円。広報費のみでの申請は不可
ウェブサイト関連費の上限補助金交付申請額の1/4(最大50万円)30万円。1/4の記載はなくなった。単独申請不可は継続
相見積が必要な機械装置等(1件あたり)100万円(税込)超50万円(税込)超
相見積が必要な発注先の選定発注総額100万円(税込)超発注総額(1件あたり)50万円(税込)超

対象経費の8区分(機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費)は同じです。
交付決定日より前の発注・契約・支払が対象外になる点も変わりません。

📌 公募要領の記載がおかしい!!! 「上限30万円(税込)」??

公募要領(第8版2026.7.21)で広報費、ウェブサイト関連費では「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)」と記載されています。(公募要領P13、P14)

「補助金交付申請額」は経費(税抜)×補助率(2/3など)で計算された金額(補助金額)のはずです。
補助金額に「(税込)」と表記するのは誤記と思われます。

この誤記のため、30万円とは、経費(税込)それとも補助金額のどちらなのか迷われた人もいるかと思います。
「30万円は補助金額の上限」です、経費(税抜)ではありません、事務局に確認しました。

広報費とウェブサイト関連費は「分け方」が変わった

第20回では、ネット広告やSNS広告は広報費で計上することになり、ウェブサイト関連費とは別に、それぞれ上限30万円(税込)が設けられました。

第19回は広報費に上限がなく、ウェブや動画に関する広報費用はウェブサイト関連費で計上する整理でした。
インターネット広告、SNS広告と運用代行費、宣伝用の画像・動画作成も、ウェブサイト関連費の例に並んでいました。
そのウェブサイト関連費に「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」の上限がかかっていました。

支出の例ごとの計上先

支出の例第19回の経費第20回の経費
チラシ・カタログの外注、看板の作成・設置広報費広報費
インターネット広告、バナー広告ウェブサイト関連費広報費
SNS広告、SNS運用代行費ウェブサイト関連費広報費
ネットでのプレスリリース配信、電子パンフレット、インターネット経由のDMウェブサイト関連費広報費
商品・サービスの宣伝のための画像・動画の作成ウェブサイト関連費広報費
自社ホームページ・ECサイトで使う動画・写真の制作ウェブサイト関連費ウェブサイト関連費
ホームページ・ECサイトの制作・更新、システム開発ウェブサイト関連費ウェブサイト関連費

計画を組み直すときの考え方

1. 1/4ルールの記載は、第20回の公募要領にありません。
第19回では、補助金50万円を満額申請する場合、ウェブサイト関連費(ネット広告を含む)の補助金額は計算上12.5万円が上限でした。
ネットでの集客を軸にした計画ほど、経費が圧縮されやすい仕組みでした。

2. ただし、通常枠の補助上限は50万円です。
広報費30万円とウェブサイト関連費30万円を足すと60万円になり、通常枠だけでは両方を使い切れません。
上限が広がるのは、賃金引上げ特例(+150万円)やインボイス特例(+50万円)で補助上限が上がる場合です。
「使える枠が増えた」というより、「区分ごとに上限が別々になり、配分の自由度が上がった」と読むのが実態に近いといえます。

3. どちらも単独では申請できません。
広報費のみ、ウェブサイト関連費のみの申請は認められず、ほかの経費と一緒に申請します。

4. 50万円(税抜)以上のウェブサイト・システムは処分制限の対象です。
補助金を受けた後も、一定の期間(通常は取得日から5年間)は、目的外の使用や譲渡などに事務局の承認が必要になります。

相見積は「50万円超」で必要になった

相見積が必要になる金額は、第19回の100万円(税込)超から、第20回は50万円(税込)超に下がりました。

  • 機械装置等の購入:1件あたり50万円(税込)を超える場合、2者以上の見積が必要です。
  • 発注先(委託先)の選定:発注総額(1件あたり)が50万円(税込)を超える場合、2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選びます。
  • 中古品の購入:金額に関わらず、2者以上の中古品販売事業者から見積が必要です。理由書による随意契約は認められません。

公募要領の表記は「50万円超」なので、税込50万円ちょうどは相見積の対象外で、1円でも超えれば必要になります。
50万円台の機械や外注は珍しくないため、前回は不要だった項目が、今回は必要になる可能性があります。

見積で押さえる点

  • 相見積は、補助事業者ご自身が別々の企業から取得します。
  • 見積金額に複数の項目が含まれる場合は、内訳を示します。
    「諸経費」など内訳が不明な費用は、補助対象外です。(詳細項目については注意してください)
  • 見積書等は、採択発表後、交付申請で提出します。
    提出期限は2028年2月29日で、期限までに提出がない場合は採択が取り消されます。
  • 事業の性質上、見積を取ることが困難な場合は、随意契約の理由書を交付決定までに提出します。

注意:交付決定日より前の発注・契約・支払は、補助対象外です。
採択通知書だけでは、補助事業を始められません。
見積の取得は交付申請前に進めておき、発注は交付決定通知書の日付以降にします。

経費以外にも変わった点:賃上げ特例・新要件・加点

経費のほかに、賃金引上げ特例の算定方法、売上・利益の増加を求める新要件、第三者支援の記載ルールが変わりました。
資金計画にも影響します。

項目第19回(第6版)第20回(第8版)
賃金引上げ特例(上限+150万円)補助事業終了時に、事業場内最低賃金が申請時より+50円以上補助事業実施期限日(2028/3/31)を終点とする連続12か月と、その前年同月の12か月を比べ、1人あたり給与支給総額が年平均3.0%以上増加
賃金引上げ加点事業場内最低賃金が申請時より+30円以上1人あたり給与支給総額が年平均2.0%以上増加
賃金台帳の提出直近1か月分(申請時・実績報告時)採択発表月を終点とする連続12か月分(採択後〜交付決定まで)と、実績報告時の12か月分
補助対象事業の要件3要件事業効果報告時の売上高・売上総利益が補助事業終了時より増加する見込みの事業であること
加点—重点政策加点に「健康経営優良法人加点」、政策加点に「地域別最低賃金引上げ加点」が新設
第三者の支援を受けた場合様式2に、相手方と金額を記載相手方と、支援に係る金額(着手金・成功報酬など名目を問わない)を記載。記載がない場合は虚偽の報告として不採択・交付決定取消

賃上げ特例を使うときの注意

  • 特例の要件を1つでも満たさない場合、上乗せ分だけでなく、補助金全体が交付されません(第19回・第20回共通)。
  • 給与支給総額に含まれるのは給料、賃金、残業代、賞与などで、福利厚生費、法定福利費、退職金は含まれません。
  • 比較する2つの期間で全月分の給与の支給を受けた従業員が算定の対象です。中途採用や退職で全月分を受けていない従業員は除きます。
  • いずれかの月に算定対象の従業員がいない場合は、特例の対象外です。
  • 採択後、交付決定までに、全従業員または従業員代表者、役員に賃金引上げ計画を表明します。
  • 賃上げの原資となる役員報酬や直接人件費は、補助対象経費になりません。
  • 賃上げ要件を達成できなかった場合、未達が報告されてから18か月の間、中小企業庁所管の補助金の審査で大幅に減点されます(正当な理由がある場合を除く)。

賃上げ特例で上限が上がる魅力は大きい一方で、要件は前回より重くなっています。
直近の給与支給総額と従業員数から、年平均3.0%の増加が現実的かを、申請前に試算してください。
試算や賃金台帳の整備は、税理士・社会保険労務士などの専門家と相談しながら進めることをおすすめします。

申請前につまずきやすい点と、11/5までの進め方

計画策定でつまずくのは、公募要領で明記されているルールを見落とす場面です。
行政書士として補助金の書類を扱う立場から、事前に押さえたい点を整理します。

つまずきやすい点

  • 前回の配分のまま経費を組む。
    広報費とウェブサイト関連費の上限と計上先が変わったため、ネット広告を含む計画は区分の仕分けからやり直します。
  • 交付決定前に発注・支払をしてしまう。
    交付決定日より前の発注・契約・支払は、補助対象外です。
  • 見積が「一式」や「諸経費」で内訳がない。
    内訳が不明な費用は補助対象外で、見積金額に複数の項目がある場合は内訳を示す必要があります。
  • 50万円超なのに、見積が1社分しかない。
    相見積が必要な金額が下がったため、前回の感覚だと漏れやすくなります。
  • 専門家からの支援を、様式2に記載しない。
    相手方と支援金額の記載がないと、虚偽の報告として不採択・交付決定取消になります。
  • 代理人だけで商工会議所に相談・様式4の発行依頼をしようとする。
    この補助金は、社外の代理人のみで相談や様式4の発行依頼を行うことができません。
    事業者ご自身が商工会議所(商工会)に相談し、依頼する前提です。

なお、この補助金は、小規模事業者が自ら経営を見つめ直して計画をつくることが前提です。
事業者自らが検討した記載が見られない場合は、評価に関わらず不採択・交付決定取消になると公募要領に書かれています。
当事務所は、経営者の考えを整理し、経費区分や書類を整えるかたちで支援します。

締切から逆算したスケジュール

第20回(〆切12/15)を前提として、

  1. 10月中:GビズIDプライムを取得または更新します(取得には数週間程度かかります)。
    前回の計画書がある場合は、第20回の区分で仕分け直し、50万円超の項目は見積を依頼します。
  2. 11月5日(木):申請受付が始まります。
  3. 12月4日(金)まで:商工会議所(商工会)から事業支援計画書(様式4)の発行を受けます。
    発行には時間を要する場合があり、受付締切以降は、いかなる理由があっても発行を依頼できません。
  4. 12月15日(火)17:00:申請締め切り。
  5. 2027年3月頃:採択発表の予定です。
    その後交付申請をし、交付決定までは、採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があります。
  6. 交付決定後:交付決定日から発注・支払ができます。
    補助事業は2028年3月31日までに終える必要があります。

自社の経費計画を点検する10項目

次の10項目をチェックしてください。

  • GビズIDプライムを取得している(登録情報が古い場合は更新している)
  • 広報費とウェブサイト関連費を第20回の区分で仕分け直し、それぞれ上限30万円(税込)に収まっている
  • 広報費・ウェブサイト関連費だけでなく、ほかの経費も計画に含めている(単独申請は不可)
  • 1件あたり50万円(税込)を超える機械装置等・外注は、2者以上から見積を取れる(中古品は金額を問わず2者以上)
  • 見積書に内訳があり、「一式」「諸経費」だけになっていない
  • 交付決定通知書の日付より前に、発注・契約・支払をしない
  • 支払は銀行振込を原則とし、1取引10万円(税抜)を超える現金払いを予定していない
  • 賃金引上げ特例を使う場合、給与支給総額と従業員数から、年平均3.0%増が現実的かを試算した
  • 専門家など第三者の支援を受ける場合、相手方と支援金額を様式2に記載する
  • 事業支援計画書(様式4)の発行依頼を、12/4から逆算して余裕のある日程で押さえた

よくある質問(FAQ)

Q1. ウェブサイト関連費と広報費の上限は、いくらですか。

どちらも上限は30万円(税込)です。
公募要領の表記は「当該経費の補助金交付申請額の上限」で、いずれも単独では申請できません。
第19回のウェブサイト関連費は、補助金交付申請額の1/4(最大50万円)でした。

Q2. ネット広告やSNS広告は、どの経費で計上しますか。

第20回では、広報費で計上します。
第19回では、ウェブサイト関連費の例に入っていました。
自社ホームページやECサイトで使う動画・写真の制作費は、第20回もウェブサイト関連費です。

Q3. 相見積が必要なのは、いくら以上ですか。

1件あたり50万円(税込)を超える場合に、2者以上の見積が必要です。
第19回は100万円(税込)超でした。
中古品は、金額に関わらず2者以上の見積が必要です。

Q4. 申請はいつからいつまでですか。

2026年11月5日から12月15日17:00までです。
事業支援計画書(様式4)の発行受付は12月4日までで、受付締切以降は発行を依頼できません。
採択発表は2027年3月頃の予定です。

Q5. 申請書類の作成を専門家に頼んだ費用は、補助対象ですか。

補助対象外です。
公募要領は、補助金の応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きに係る費用を、補助対象外経費としています。
専門家など第三者の支援を受けた場合は、相手方と支援金額を様式2に記載する必要があります。

まとめ:11/5までに、経費の仕分けと見積の段取りを終える

第20回で経費計画を見直すポイントは、広報費とウェブサイト関連費の仕分け、50万円超の相見積です。

今やること

  1. 前回の計画書を、第20回の区分で仕分け直す。
  2. 50万円(税込)を超える項目は、2者以上への見積依頼を進める。
  3. GビズIDプライムの取得・更新と、様式4の発行依頼の日程(12/4まで)を押さえる。

当事務所に相談するメリット

行政書士飯島事務所(東京・新宿・高田馬場)は、認定経営革新等支援機関として、次のような場面でお手伝いします。

  • 第19回から第20回への経費区分の仕分け表づくりと、上限の確認
  • 相見積の段取りと、見積書の内訳の整理
  • 経営者ご自身の考えを整理する、事業計画のたたき台づくり
  • 申請前の要件確認(対象者要件、過去の補助金の報告状況など)

採択や補助金の交付をお約束するものではありません。
最終的な判断は、必ず公募要領と事務局の案内でご確認ください。